あのころ・・・
息子の宿題で、赤ちゃんの頃の自分について、
家のヒトに話を聞きましょう・・・・というのがあって、
親は、その記憶力を試されるワケです。
自慢じゃないけど、わたしは、その昔、育児日記をつけておりました。
任せろ!とばかりに、それを引っぱり出して、
読み返してみました。
・・・・・忘れていたコトが、いーーーーーっぱい、そこにはありました。
生後4ヶ月頃からつけていた日記で、2歳の頃まで続いています。
だから、寝返りしたとか、立った、歩いた、喋った・・・・とまあ、一通りの成長が分かります。
そして、息子が、いかに寝ない子で、よく泣いたか・・・というコトが、
イヤっちゅーほどに、書かれてありました。
昔っから、変わらねーなあ、全く。
自分のコト、「ちゃんちゃん」って言ってた、とか、
頭のコトを「あぱま」と言うから、アンパンマンと区別がつかない、とか。
毎日毎日、数行だけど、続いているその日記は、
読んでいると、その頃の息子に逢いたくなります。
(あ、もちろん、娘のもちゃんとあるんですよ)
1歳前後、すごーくアトピーがひどくて、いかにわたしが悩んでいたかが、
書いてあったりもします。
『入院以来、すっかり医者ギライの○○。一時的に良かったアトピーも
またかゆくなって、保湿を心掛けているものの、かきまくるし、汁も出ているし、
出血もする。 見た目は1ヶ月前よりは、いいかもしれない。
早く治って欲しい。but、色んな本を読みすぎて何をすべきか分からなくなっている。
○○が笑っている内は、なるべく悲観せずにいたい。』(4/30)
『すごくかゆがる。どうしていーのか・・・。PMさんぽがてら、Yさん家へ。
ハイハイがスムーズになってきた。早く治してあげたい』(5/7)
『思いあまってアレルギー外来へ行く。保育園の役員会とかけもち。
ステロイドを3日間だけ塗ることになる。抗アレルギー剤についても勧められる。』(5/8)
そのあと、3日ステロイドを塗った日記があって、
『まだ汁出るもん・・・かゆそうだし。アゴだけ塗っちゃった。
でも怖くなる。どうしたらいい? 早く金曜日になって先生に見て欲しいよ』(5/12)
あの頃、雑誌などでは、ステロイド剤は、怖いっていう刷り込みがあって、
わたしは、それを信じていたので、本当にビクビクしてたんですね。
『アレルギー外来に通って1ヶ月・・・。あれほど避けていたステロイドに、
依存してしまっている。このままでいいんだろうか? ○○は、ちゃんと育っているけど・・・。
○○、かゆいね、毎日毎日・・・。いつまでこんなこと続くんだろう。』(5/31)
擦れ違った子どもに、「あの赤ちゃん、顔がヘン」って言われた、とか、
このころの日記は、そのコトばかり。
そんなに深刻にならなくて良かったのに・・・って、今のわたしは言えるけど、
そのときのわたしに、逢いに行っても、きっと、そんなふうには言えない。
言えないけど、「大丈夫だよ」って言ってあげたい。
そして、「毎日毎日、よくやってるね。えらいね」って、抱きしめてあげたい。
「あなたは、なにも間違ってないよ」って、「それでいいんだよ」って。
お母さんって・・・そりゃあ、子どもを産んだら、もう「お母さん」なんだけど、
本当はそうじゃなくって・・・・いろんなコトがあって、だんだんと「お母さん」になっていくのかも。
怒ったり、泣いたり、喜んだり、悩んだり、傷ついたりしながら、
だんだんと、一丁前のお母さんになっていくのかも。
なんてね。
あの頃には、もう戻れません。
もう日記を読み返さなくちゃ思い出せないほどの、遠い遠い記憶です。
それでも、それは、確かにあったコトで、
きっときっと、それは、どんなお母さんと子どもにだって、ちゃんとある記憶(あのころ)なのです。
忘れてしまっていても。
きっと、それが、大事。