ばんじさいおーがうまさ!

いろいろあるけどさ、まあなんとかなるっしょ!! なんとかしよーぜ!!

おばあちゃんのカレンダー

昨日の夜、明治44年生まれの祖母の頭の中は、

晦日だったらしい。

なかなか寝ようとしないし、おかしいなあと思っていた・・・。

妹が、

 「最短記録を更新したよ。20秒後に、おんなじコト聞かれた。

今日は何日だ?って」

と言っていたっけ。

そう、やたらと日付を気にしていた。

その度に、「1月5日だよ」「ほぉ?もう正月、終わったか?」

という会話を繰り返していたのだけれど・・・・。

布団に入ったと思って、安心していたら、呼ばれて、

 「紅白は、どこでやっとる?」

と聞かれたのが、9時だったかな。

 「・・・・・・・もう1月5日だで。紅白はやっとらんよ」

と、答えて、また5分後くらいに覗いたら、

 「紅白は、もう終わったか?」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

ホントの大晦日には、紅白なんか見なかったじゃんか。

おばあちゃんのカレンダーは、言ったり来たり。

まだ当分は、2005年のままだろう。

2005年? そんなコトないんだろうなあ・・・・一体、いつなんだろうなあ。

息子たちが刺身に箸を伸ばすだけで、

 「お前たち、そんなもの、食べれるのか?」

と、たしなめる。何歳だと思ってるのか・・・・。

毎日のコトだから。

ホントに、毎日毎日、こんなふうだから。

わたしは、いつも眉間にシワを寄せている気がする。祖母の前で。

優しい歌なんか、わたしには1つも歌えないんじゃないかと思うのは、

そんなとき。

違う。

わたしは、だから・・・・わたしのために、わたしの歌を歌うんだ。

ココロの底から、欲しいと思うキモチを、歌うんだ。