オリジナル
まだ体調がイマイチの娘。
食欲がない。
そんなとき、彼女は決まって、
「たまごのお粥、食べたい」
と言います。
正確には、たぶん、『おじや』というのかな?
料理ぎらいなわたしが作る、超カンタンなメニューです。
鍋に入れたお水が沸騰したら、コンソメを入れて、
ごはんを入れて、頃合いを見計らって、溶きたまごを流し入れて、
出来上がり。
娘は、昔からこれが好きで、
風邪のときじゃなくても、冬は食べたがります。
今日も、それがいいと言うので、夕食づくりの最後に、
つくろうと思って、コンソメの箱を手に取ったら・・・あれ?
ヤバイ、ないじゃん。
コーンの具だくさんスープも作ったから、それと食べれば?」
そういうと、娘はみるみる表情を曇らせて、泣きそうになりました。
「・・・・じゃあ、コンソメ、買ってくるよ」
具合の悪いときくらいは、優しくしてあげなくちゃ。
でも、コンソメだけのために、買い物に行くのかい^^;
結局、コンビニでコンソメを調達して、おじやを作りました。
娘は、それをペロリと平らげて、おとなしく寝ました。
母親の味・・・というものがあるとして、
きっと、娘にとってのそれは、この「おじや」なんだろうなあ。
決して、ご馳走ではないんだけど。
わたしにとっては・・・なんだろう?
うーーーん、鶏肉の照り煮かなあ。
すっごく甘いんだけど、ときどき、ふっと食べたくなる。
疲れて帰ってきて、おかずがそれだと、
「お、やった!」
と、思って、少し元気になる。
そんな存在。
帰る場所。
そこには、悩みや問題の解決になるような呪文や魔法はないんだけど、
くたびれて、疲れ果てて、凹んで、自信喪失して・・・・
「ただいま」
って帰ってきたときに、
大好きな匂いがあれば、ふっと、気持ちが安らぐかな。
そんな匂いに、なりたいなあ。
どこにも売ってない・・・オリジナルで。