罵声をあびる
娘が頑張っているソフト部のブロック戦が始まった。
今日は、シゴトが午後だったので、応援に行ってみた。
6年生に混じって、先発メンバーでサードを守ることになった娘。
張り切っている姿と裏腹に、何度もエラーをしてしまい・・・
顧問の女性教諭の罵声が飛んでいた。
「○○っ! 交替するのかっ?」
「グローブだけ出すなって言っただろっ! カラダで止めろっ」
「足を止めないっ!!」
「その位地でいーのかっ!?」
・・・・・・・・^^;
聞きしにまさる、迫力だった。
さて。
わたしは、運動音痴。
自分が出来ないものだから、娘にもスポーツはあまり強要してこなかった。
でも、娘は意外にも、スポーツが好き。
特にここ一年くらいは、かなりの根性を見せてくれる。
授業なんかで、バレーボールとか、ソフトボールとか、
学生時代には、キライでもやらなくちゃいけなくて・・・
うん、球技大会とかあるから、そういうときには、みんなが本気モードに
なったりしちゃって。
わたしも、渋々守備についたりするワケだけれども、
(頼むから、わたしのとこには飛んでこないでー)
なんて、神様に祈ったりしていたっけなあ。
娘を見ながら、そんな過去を思い出していた。
なかなかチェンジ出来ない長い2回表の守備のとき、
タイムをとった顧問のコーチは、娘ともう一人の5年生の名前を呼んで、
「お前たちがヘタクソなのは、先生も知ってますー。
ヘタクソはヘタクソなりに、出来るコトがあるだろっ!?」
・・・・・。
娘は、唇をひき結んだまま、こくりと頷いていた。
打席に入ったときも、見送った球が、ストライクの判定で、
首を傾げている娘に、
「首なんかかしげなくっていい!! ○○は、打てばいいんだろっ」
娘は、先生を振り向いて、またこくりと頷いた。
わたしだったら、きっと、1つ1つの罵声を、全部抱え込んで、
もう動けなくなってしまう。
ハタで見ている今なら分かる。
これは、傷つけようとして言ってるコトじゃないんだって。
でも、あの頃のわたしには、それは分からなかった。
思いがけず、長丁場になった試合。
シゴトに間に合わなくなるから、わたしは途中で帰ってきた。
そして、シゴトに向かう道で、帰ってきた娘と擦れ違った。
「逆転して勝ったんだよ」
と、嬉しそうに笑っていた。
そして、今。
「すごい罵声浴びてたね。みんなアレでやめちゃったんでしょ?
Nは凄いねえ」
と、わたしが言うと、娘は普通の顔で、
「覚えればいいんだよ、言われたこと」
と、答えた。
「ヘタクソはヘタクソなりにやれるコトがあるだろって言われてたじゃん?」
「ああ、うん、言われたねえ」
「あのときは?」
「そうだな、と、思って」
「頑張るんだ?」
「そう」
・・・・・・・ふうん。
顔は似ているけど、娘の根性は、わたしとは似ても似つかない。
なんか、嬉しい。
妹にそれを言ったら、
「普段ママに罵声浴びせられてるから、慣れてるんじゃない?」
・・・・・・・・・。