ばんじさいおーがうまさ!

いろいろあるけどさ、まあなんとかなるっしょ!! なんとかしよーぜ!!

ヒーローがいる

あなたには、ヒーローがいますか?

例えば、野球少年がイチローに憧れるように。

アイドル志望の女の子が、松田聖子に憧れるように。

(って、いつの時代の話だよ^^;)

わたしは、取り立ててスゴイ夢を持っていたワケではなくて、

ただなんとなく、小説家になりたいかなあー程度の野望しか

持ち合わせていなかった女の子でした。

だから、夢のシンボルのような存在は、いなかったんですが。

(好きな小説家はいたけど・・・ヒーローっていうのとは、違うもんなあ・・・)

ヒーロー。英雄。

でも、イメージとしては、尊敬するヒト? 憧れ? 目標?

いまの娘くらいのときまでは、

多分、わたしのヒーローは、父でした。

何でも知っていたし、手先が器用で何でも作ってくれました。

自分の意見をちゃんと言えて、シャンとしていた。

黙々と仕事をしていた。

そんな父がわたしのヒーローでした。

晩年、アルコール依存症になり、どんどん情けない存在になっていった父。

その知識は、ただの机上の空論で、

手先だって、お酒のせいで、震えて、文字すら書けなくなった。

劣等感のカタマリで、なんて弱いヒトなんだろうって、

わたしは軽蔑すらしてしまった。

それでも。

わたしは、あの父の子どもで良かったと思います。

良かった思い出も、嫌な思い出も全部ひっくるめて。

今なら、「ありがとう」と言えるのです。

例えば。

イチローだって、いつか落ちぶれてしまうかも知れない。

聖子ちゃんだって、いつかはおばあちゃんになる、はず。

でも、ヒーローだったコトに変わりはなくて、

そのとき勇気づけられた、そのとき原動力になった・・・

その事実は、消えない。

ヒーローっていうのは、偉業を成したヒトのコトじゃない。

強くて美しいヒトのコトでも、ない。

そのヒトの存在が、自分を強くしてくれる・・・・

そんなヒトのコトなんじゃないかなあって、いまは思うのです。