手に入れる ~ 魔法のアイテム ~
今日は、かねてから欲しいと思っていた憧れのモノが手に入りました。
それはコレ!
これが何か分かるヒトは、「ああ・・・」と思うでしょう。
分からない方がいいよね。
これは、喘息の発作が起きたとき、その場でシュっと吸い込めば、
発作がひくという魔法のスプレー。
喘息用の吸入器です。
わたしがコレの存在を知ったのは、夫と付き合いだした頃。
彼はその頃、まだ秋口になると決まって喘息の発作が出ていました。
(結婚してからは、一度もないんだけど・・・)
そんなとき、いつも彼が使っていたので、
喘息に対して全くの無知だったわたしには、
コレさえあればいいんだ、というイメージを植え付けたのです。
さて。
時は流れて、我が息子はプチ喘息持ちになりました。
なんの前触れもなく突然夜中にやってくるそれは、
わたしにとって恐怖です。
大抵、朝になると治まっているのですが、
医者のやっていない時間にばかりなるので、
救急外来に駆け込もうかどうか、いつも迷います。
あの魔法のスプレーは、この子には使えないのかなあ・・・・
何度もそう思いました。
まだれっきとした「喘息」と診断された事がないし、
それにまだ小さいから無理かな。
あのスプレーがあったら、突然やってくる発作にも備えられるのになあ。
そうして、今日。
いつもかかりつけの病院で、先日の発作の話をして、
「なんの前触れもないし、いつも夜だから、怖いんです」
と、わたしが訴えたら、
生後半年からずっと息子を診てくれているそのセンセイは、
「そうだねえ、ホクナリンで治まってるって事は、
気管支拡張剤が効くって事だからね・・・この子の体重なら、
○○○を使ってもいいかも知れないね」
と、聞き慣れない、でも、それっぽい名前を口にしたのです。
「えっ、それって、あの、シュッてするアレですよねっ」
思わずわたしは身を乗り出してしまいました。
そんなわたしの期待をどう受け止めたかは分かりませんが、
センセイは、それを使う注意点や使い方を説明してくれました。
わたしは、もうただ嬉しくて、
お願いだから「やっぱり、やーめた」なんて言わないでねと、
そればかり思っていた次第。
かくして、わたしは念願のコレを手に入れたのでした。
やったぁ!
そのとき、わたしの頭上には、きっと、
『あるみは、魔法のスプレーを手に入れた。
あるみの経験値は・・・・』
というRPGのフキダシが浮いていたに違いない。
(わたしはRPGやったコトないけれど^^;)
それくらい嬉しかったので、家に帰るなり夫に見せびらかしました。
「懐かしい? やっともらえたんだよぉー」
夫は、チラリと横目でそれを見て、
「コイツに効くかどうかは、やってみなくちゃわからんぞ」
と、ヒトコト。
・・・・・・・・・・。
まあ、そうだけどさあ。
試してみなくちゃ分からない。
出来れば、試さずにすめば、それにこしたコトはない。
まあとにかく、わたしにはお守りのようなこの魔法のアイテム。
息子に効くかどうかは、分からないけど、わたしの不安には効いてるんだから、
いいのよ、うん。
当の息子は、ついさっき行った『びっくりドンキー』で、
「オレは、今日はステーキを食べる!」
と宣言して、『ハンバーグステーキ』を頼みました。
密かに『ステーキ』に憧れていたらしいです。
(すみません、我が家のメニューに『ステーキ』はありません。)
何度も、『ハンバーグステーキ』は『ステーキ』じゃない、と、指摘しようかと思ったのですが、
あまりにもワクワクしている彼に、どうしても言えませんでした。
あとから車の中で、
「オレ、なんのニオイがする?」
と聞かれて、
「ハンバーグ」
と答えたら、
「違う、オレが食べたのは、ス・テ・-・キ!!」
・・・・・・・・・わかったよ。
そんな彼が不憫になってきて、今度お肉の安い日に、
きっときっとステーキ用のお肉買って来て焼いてあげよう、と、
心に誓った母でした。